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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第30章 Vermilion Bullet ……I






「なか––––あいえ、幹部……!?」


「悪ィ、これでも急いだ。なかなか前線は保てたようだな」




こちらへとその御身が来る間にも

群がるバージンキラーを殴り飛ばして、走ってきた。


獣がすんと鼻を向ける。


菜穂子と合流した中也が
先ほどまで菜穂子と刃を交えていたバージンキラーを見る。





「何故ここにいらっしゃるのですか」


「俺たちが相手にしてたこの野郎共が、いきなり戦闘放っぽって集団で移動しやがったンだよ。

だから、親玉がいると確信した」


案の定そうだったっぽいな、と中也が呟いた。





(……って……『たち』……?)





「あの。幹部たち、という事は……三島幹部は……?」



声が震える。

嫌な音を立てて心臓が痛いほど鼓動していた。



どうして、いない。


この場に、だって、三島幹部は、


表立って戦うような異能力じゃない……のに……!






「そンな顔してんな。無事だよ。
三島ンとこの個人的な知り合いがそばにいる。

三島本人は矢ッ張り 作戦通りに夢に囚われちまったが、
乗っ取られる心配のあった市民共も総じて眠りこけたから、恩恵としては上々だろうよ」





嗚呼……よかった。

三島幹部が生きている。


それだけで、よかった。





「チッ、多いな。菜穂子一人で戦ってたのか?」


「いえ。途中までは……」





武装探偵社の彼らと共にいた。


そんな事を言ってしまっては駄目だ。

ポートマフィアの権威に影響する。






「……途中まで別の異能企業団体がいましたが、市民の避難誘導に向かいました」




「そうか。 ッてことは、そろそろ避難が済んだとしたらここに其奴らも––––……」

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