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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第30章 Vermilion Bullet ……I






「……三島! 準備出来たか!?」

「嗚呼、いつでもいける」





三島と中也、与謝野女医が

市民体育館に程なく近い スクランブル交差点にて立ち止まった。





「んじゃ……ま、一気呵成にブッ叩くぞ!」

「怪我したら言いなァ、半殺しにしてから治してやるよ」



中也と与謝野女医が、三島を挟むように背を向け、
得物をそれぞれその手に握る。


中也は銃を、与謝野女医は鉈を。



「……三島!
手前ェが異能力を発動している間はきっちり守ってやるよ。

だから安心して夢の中に逝け」


「邪魔するやつらは 地獄送りとなるねェ」




中也がニッと笑う。

与謝野女医もケラケラと笑って鉈を振りかざした。



「……さ、これで何人のバージンキラーが来るかな」

「さァな……来なきゃいいッて問題でもねェしな」



スクランブル交差点のど真ん中。

中也と与謝野女医、三島だけが立っている。


辺りに静謐な空気が漂い始め、三島がすと息を吸った。



「……うつつに天降りし転輪府君よ––––」


ぞわりと身体中を何か、目に見えないものに撫でられるような感覚に襲われて総毛立つ。

これが首領が唯一友人だと口にした人物が見せる"畏怖"というものなのだと、あの花畑で微睡む紳士を見ていると知らしめる。



「昏き夢の水底へと堕ちよ」





【仮面の告白】––––……。



そう呟いた瞬間、突如として

まるで青空を具現化したかのように鮮やかな碧色の文字帯が、以前とは比べ物にならないくらいの大規模な半径で転写された。



水平点を通過して、中央から波がひし形に展開される。




まるで囁くように、歌うように 唱えられた言葉が

彼の指定した座標下を波のように広まってゆく。





「……さて、一気にどれくらい持っていけるかなぁ」






3人とバージンキラー



数に限りがあるのかないのか


三島が眠ったなら、これ以降は彼の指示なしで

すべてが進んでゆく。



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