第28章 La Vierge…II
「……武装探偵社の方ですか。
判りました。
それならば、まあ、こちらですぐにご用意出来ますが……」
乱歩と与謝野女医が出向いた先、司法省。
気にいらないし手なんて借りたくもないし、払い除けたくなるけれども
まずは政府機関を利用しなければいけない。
受付の人が気に食わなさそう顔をしながらもそう言った。
「え? 今すぐ出来るの? 準備良いね。珍しー」
予想外の話の早さに 俄然興味が湧いたのか、飴を噛み砕いて乱歩が 手を叩く。
「はあ、まあ……昨日、一昨日くらいですか。
あなた方とほぼ同じことを言ってきた人がいましたので、余分にあっただけです」
「え?」
「ん?」
乱歩と与謝野女医が全く同時に首を傾ぐ。
「それって……誰?」
「個人情報ですので詳しくは言い兼ねますが、あなた方と同じく 異能企業ですよ」
とんとん、と二人に渡すものを整えて小包にする。
「外見は少女でしたね。
話を聞いてみたら、上司の方の頼みだったらしいですが」
「異能企業って言われてもなぁ。
今回のこれって、ほとんど近辺の企業が尽力しているわけだし。
まあ……ポートマフィアに、ものすごいのがいるとは
昔 真冬に聞いてたけど……まさかね?」