第27章 La Vierge…I
三島の伏せった目が、すとパネル向こうの首領を見据えた。
口を開く。
「……僕の––––
「駄目だッ!!」
しかし、寸前で 三島の考えを悟り、中也が声を荒らげた。
ばん、と音がはじけて中也が立つ。
びくりと菜穂子と部下が震え、紅葉も目を細めた。
「ちょっ、中也、御前だから––––……」
菜穂子が怯えたこともあってか 三島がすぐに諌める。
だが、中也は勢いのまま三島の手を掴まんばかりに ぎりと手を握りしめた。
「莫迦な考えをすンな!
ただでさえ手前ェの体にガタが来てるっつうのに、それは……!」
「しかし、それ以外に考えつく手段だと……先程のしかない」
三島が中也をなだめる。
中也が己の予想通りの反応をしたからか、苦笑していた。
菜穂子には、首領と三島が考えている方の手段は思い当たるが
中也が即座に却下した方のは判らない。
《まあね……首領として言うなら、三島君の"それ"を視野に入れても良い。
ただ、本当に最終手段になってしまうけど》