第27章 La Vierge…I
《それで、早速本題だ。
バージンキラーが昨夜 六体現れたんだって?》
書類の捲られる音が 静かに響いた。
「ええ。合ってます。三体上橋が処理しました」
《他三体は、武装探偵社が処理したと報告が入っているね?》
「はい。そのように。」
中也が答え、うーんと首領が唸った。
《何か良い突破口がないかな》
そう……
––––きっと、先程からずっと思案している三島と
この首領が考えている"最終手段"は同じものだ。
しかしその札をおいそれと切るわけにはいかない、それを重々承知しているからこそ言えない。
《三島君は?》
「ええ……あります。しかし」
伏せり翳った 紺色の瞳は、何を思っているのかが全く判らない。
簡単には言い出せない。
その言葉の責任は、重いものだ。
「街を 丸一つ、駄目にしてしまうかと」