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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第26章 Scarlet Heart…III




「ふうん……、そんなにいたんですね……バージンキラー」

「みたいだねぇ。社長も国木田も、生傷のひどいことったらさぁ」





一方、医務室代わりの 今福沢たちがいる和室の隣の部屋。


武装探偵社の新人である太宰治、
そして彼とその部屋にいるのは江戸川乱歩だ。



「そういえば乱歩さん––––」

「んー?なーに?」



ずず、とお茶を啜り乱歩が首を傾ぐ。

その目線は太宰ではなく、この辺りの土地の地図に向けられている。


これは、昼間のあの後、市役所に行って貰ったものだ……



「武装探偵社にいる、残り一人の社員のひとは、ここにいますか?」



薄い笑みを浮かべる太宰の顔は怖いものではないけれど

でもそこに、甘やかさはない。



話を逸らしてはいけなさそうな、そんな笑み。

乱歩のために武装探偵社はある。



乱歩の異能力……【超推理】を

活躍させられる環境を作らねばならなかった。



武装探偵社がようやく異能力関係においては便利屋として

このヨコハマに、その名が知れ渡った……


そんな折に乱歩が拾ってきたのが、彼女だった。




「あー……」


乱歩がごろりと寝返りをうち、ふあっと欠伸を漏らす。




「……うん、いるんじゃない。




でも社長と国木田のお見舞いしてるから……


顔を見れるのはまた明日だと思うけどね?」

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