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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第25章 Scarlet Heart…II




「切りがないな……
降って湧くだなんて、本当、その通りだ」



小蝿のようにいきなり現れては、その数が多い。

花に集る害虫の駆除ならば、早急にしなければいけない。




ふう、と一息吐いて 目を細めた。


脳内で自らの異能力に命令を出す。




三島の周囲を纏わりつく文字の帯が紫色に発光し、

そのまま塒を巻くように、独りでに蠢動した。



一人ずつ 確かめていくのは無理だ。時間の無駄だし、余裕がない。



だから––––

まとめて、一網打尽に始末してしまえば良い。




先程までの手段としては、一人一人相手をして

『本体』でなければ……という方法だったのだが





「…………」


異能を空へと打ち上げて、文字帯が上空を包むように展開した。


そして、人数が集まっているあたりの座標を指示し、
円形半径5メートルほどのレンジを設定する。

最大捕捉距離、三島は任意で変更可能だ。



これくらいの直径にすれば、撃ち漏らすこともないだろう。



【仮面の告白】の応用で、対象一人を迷わし惑わせるのではなく

いつもの、"在る"だけで惚れるという脅威の威力を大幅に落とし、

その代わりに対象の範囲を、一枚の絵のように視野を広げることで絵全体に見立てた対象たちを無力化するという技法。






「……後は––––」



異能が効いたのか、ぼーっと惚けるように 迫撃が止まったバージンキラー(仮)たち。


遮蔽物は通過し、障害物も干渉しないという水平距離。

二点の間を交差させ、四点を菱形にさせるもの。





「ここで、僕のこの弱めた異能力が 効いていないのが


本体……と言うことになるのだが……」


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