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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第24章 Scarlet Heart…I




「––––ッ」



真上に振り抜かれた刃が縦に滑ってきた。


横へと転がるようにすり抜けたバージンキラーの動きに合わせて

左手を添え、刀を真横に突き出す。



対象の首を刃渡りで搔き切る剣技である。



社長も割と、真剣なだけに真剣で、鉈とは雖も真剣勝負だ。




紙一重で身を反らし避けたバージンキラーの、出ている方の足を払う。

体捨の一つ、蹴手繰りを嗾けて
内に押し込むのではなく外へと払い退けた。




前のめりに身体を崩したバージンキラーの頸椎目掛けて、

肩を押さえ込み刃を振るう。





「––––、––––……!」


頸動脈を切られると、人体は上でも横でもなく
斜め上に血を噴き出す。

夜半のブロック塀に、血が噴水のように辺り一面を真っ赤に濡らした。




「––––武装探偵社憲章……

『武力で以つて心身が脅かされた場合、
速やかに武力でそれを行使してきた対象を制する権利を有する』」



急迫不正の侵害を排除する、武装探偵社が掲げている典範……




ぱちんと音を立てて、刀を鞘へと仕舞った。


払い退けた血が放射状に撤布される。





「相手が悪かった」

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