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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第23章 Garden of Daydream…IV




「で、その辺りは後で話すとして、相手が女性だった時。
バージンキラーの蹴りを、上橋一人でも防御は出来た。

……ま、膂力については個人差かな。その素体のね。」





膂力、最後の蹴りである。

防御は出来たがあの個体の脚力が元々強かったのだろう……
だから菜穂子は衝撃に耐え切れなかった。





「……て、ン?おい三島、いま素体っつったか?」

「うん、言ったよ。
ここで、バージンキラーが一人ではないとして……」


「おいおい……」


随分 面倒なタイプになって来たと中也が辟易した。




「でも、それの判断材料は物理的に少なくなかッたか?」

「いや、充分足りたよ。
まあ、目視出来る部分では、ってことで充分ってだけだけれども」


俺が必死にこいつを守りながら戦うのが役目なら、走査して見分するのが三島の役目だ。




「先に上橋が言ったこと、バージンキラーが手負いだったってやつなんだけどね。
バージンキラーが上橋を相手にした時の強度が元ステータスだとしたら、あのバージンキラーは結構ぼろぼろだと思わなかったかい?」




菜穂子に限らず女全般という結果が出れば尚良かったのだろう……

しかし、無闇に女を危険に晒すのは三島の紳士道に反する。





「……あァ……確かにな。
つまり、少なくとも先にあいつと戦ったのは男じゃなかったってことか?」



「うん、そういう事。
先にあのバージンキラーと戦ったのは女性、しかも手練れ。

洋服や身体の傷具合からして裂傷だから、獲物は刀剣とかだね。包丁にしては傷が深い」



深さは重さに比例する。

長さは加速に比例する。





俺がもう少し長く戦えていたら、もっと色々判ったのだろうか。


否、たぶんこれ以上は出なかった。






「……そして……ね、今夜もきっと……

"別の"バージンキラーが出るよ」






それは呪いのようだった。

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