第23章 Garden of Daydream…IV
……うーん、そうだなぁ。
「例えるなら、冷めてしまった無味のものを
食んでいるって感じ?」
「俺の夢食えばいい」
「あはは、僕には甘いよね、中也は……。
そんな君につけ込むのが一番、なーんて事は……重々理解しているのだけど。
安心してよ。そろそろ補充するから」
先ほど俺が言ってしまったことも取り消したいと思ッたけど
今のこいつの明け透けな言葉に 嗚呼、やっぱりかと思い至った。
「……手前ェも気付いてンだろ」
「––––嗚呼。……バレた?」
苦く笑った三島に
何だか悲しいような、それでいて焦燥してイラつくような気分が沸いた。
「夢から摂れる感情の量がかなり減ってしまってね。
今、リソースが少ない状態をずっと引き延ばしにしているんだ」
他人の夢から自我の機微を摂取する三島にとって……
何も感じることのない夢が、どれほど無意味で空虚なものなのか。