第23章 Garden of Daydream…IV
その目は今も昔も、そしてさっきも
何を見ているのだろう。
「––––なあ、三島」
「…………」
「……? 三島?」
「えっ。嗚呼、うん、ごめん。どうしたんだい?」
珍しいな、こいつがボーっとしているのは。
そこらへんに女がいるわけじゃねェから、
昼間っからうとうと微睡んでいるわけでもなさそうだし……
時は 朝の4時半。
バージンキラーと争って、あれから一睡も取らずに幹部会議の準備を進めている。
準備自体は部下が何から何までやるもので、俺たちは高みの見物だが。
「おーい中也?」
「珍しいなッて思ってさ。手前が人の反応に遅れんの。
エラーでも起こしたか?」
エラー、そう皮肉を呟いた俺は三島から目を逸らした。
何を見つめているのかが全く以つて判らない。
それ以前に––––
「……眠い、のか?」
「うん? いや、何だ、最近は……
手っ取り早く普通の、それこそ味気のないものばかりを
摂り続けてしまっていてね。
刺激に欠けるなって……それだけだよ」
機械的にしようとすれば出来なくもないねェことだ。
でも、こいつにとっては、それは食事だ。