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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第22章 白と黒の境い目…太宰治誕生日 6月19日記念


「はーぁ、度し難いねぇ…本当にさぁ……」



好きな人が化けて出てくるだなんて

本当、酷い夢だ。




「そこに関して、ちょっといいかな、太宰。

今回の場合、僕は君に引っ張られて来た、という事になるのだけれど?
その点について君に物申す立場にあるのはこの僕だ。」



「……え?」



やっぱり君、自覚無しでやったのかなと三島が呆れるように息を吐いた。





「僕だって、外道じゃないんだ。

むしろ今日は君の誕生日なんだろう?
だったら今日は出張らず、僕は君の夢に何も仕掛けないさ。」


そう言って濃紺の瞳を細めた三島が、やっと穏やかに笑った。


しかし、またすぐに その笑みが消える。



何を考えているのかが判らない曖昧な瞳を太宰に向けて来た。

無関心なものに、無理やり興味を向けようと頑張っているような瞳。





「でも、こうして僕は君の夢に引っ張られてここにいる。


しかも、僕が真綿だって?それこそ酷い妄想だよ。」





彼女はもう、僕らの隣にはいないと言うのに。
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