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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第22章 白と黒の境い目…太宰治誕生日 6月19日記念






「––––……」




高い蒼穹を見つめていた。

彼の茶色い蓬髪を、吹き抜ける風が揺らす。





「 ! 」


ざわざわと彼の耳を、波の音が打ち

そしてハッと振り向いた。





「……やァ、真綿……久しぶり」



振り向いた瞬間にまた風が吹いて、花びらなのか木葉なのか

二人の間を流れていった。





「……酷い夢だ。

これが、私がずっと望んでいた夢だというのかい?


三島君」





「そう」


短く言った彼は、目の前の彼女がだんだんと光に溶けていって

その軌跡をなぞるかのように現れた。




「誕生日にこんな夢を見せるだなんて鬼だね、君は。」

「言いたい事は判らないでもないけれど。
この夢の世界こそ、僕の専売特許だしねぇ。」




両肩を竦めて、溶け消えた真綿のいた場所に立つ彼が

無関心そうにそう言った。





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