• テキストサイズ

威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第21章 Garden of Daydream…III


「……名を?」

《うむ。そうだ。》


重い願い事を任されたな、と福沢が笑う。





《妾は福沢殿に名付けられたい。理由はそれでは駄目か?》


「いや、充分だ。」



電話の向こうで、彼女が嬉しそうに笑ったのが聞こえてきた。


名前と言われても、すぐにパッと浮かぶような良い名は––––




「真冬。真冬は?」

《おお、乱歩か。》



福沢が持った受話器を取ろうとぴょんぴょんしていた乱歩が

唐突にそう言った。




《真冬……うむ、良い名だ。ふふ。真冬。真冬。

あるじ殿……妾は真冬だ。良い名だろう?》



静かに、尊ぶように名前を反芻させる真冬が

呟くように言ってきた。




「嗚呼……ずっと前からそうだったような響きがする。

真冬。良い名前だ。」


《これで苗字に福沢真冬ときたら、妾とあるじ殿の関係が変わるな》




からかうように言った真冬の言葉に


福沢が先ほどのイナバの女店主との会話を思い出した。
/ 686ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp