第21章 Garden of Daydream…III
「説却……真冬?
時に 私は一つ、貴殿に物申したいことがある。
想像はつくか?」
《さてな。ふふ、言葉にせねば判らないこととて沢山あろうよ。》
きっと絶対に、この彼女は判っているのだ。
真冬はそれでもしらを切り、面白く笑う。
昔から変わらないな。
名が変わったとしても、変わらないものの方が膨大に多い。
「そうか。
では、憚らず言わせて貰うぞ。
私と貴殿が、夫婦になっているというのはやんごとなき事情が?」
それについては、悪いことではない。
むしろ悪い羽虫が集らなくて良い。
《嗚呼……ふふ、やはりそれか。
ふふ、いやなに、思ったよりあるじ殿の
面白い反応が見れたからな。
ふふ。》
悪びれる様子もなく、真冬はそう言って笑う。
自然とため息が出たのは、気のせいではないだろう……
「……どう収拾つける気なのだ……」
《ならばいっそ、現実にしてしまえばいい。そんな案は浮かばなかったのかや?》
「乱歩に怒られる」
もっともさね、と真冬が意地悪げに笑った声が聞こえた。