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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第21章 Garden of Daydream…III


コール音が二回。

これが私と真綿との示し合わせ。符丁だ。






《あるじ殿か?》

「! 怪我は大丈夫か」

《質問に質問で返すなよ……答え難い。
幸い怪我は深くない。明日にはいつも通り動けるだろうさ。》



彼女の声だ。

いつものように、冷静でいて落ち着いた物腰。




「どこを怪我したのだ?」

《腰から大腿辺りさね。
ま、でも、帯に縫っていた防刃の鋼が功を奏してくれた。》


彼女が纏っていた濃紺の袴も、きっと破けてしまったのだろう。




「殺されるはずだった軍警の男は、救えたのか」

《任されよ……男には傷一つすら付けてないさ。
ふむん、しかしこれは福沢殿にいつもの2倍なでてもらわねば割に合わないな?》



戯けるようにそう言ってくすくすと電話の向こうで笑う真綿に

自然と福沢の表情も和らいだ。



「望むだけ望めば良い。
生きていてくれて良かった。」

《ふ、妾があっさり首を殺られるたまか。
福沢殿が望むならば、寝首と言わず素首を床に並べても良いが》


そんな事をしたら嫌なのは、あるじ殿だろう。と彼女は言う。




「いつか本当にしそうで怖いな」

《貴殿がそれを望むなら……さな?》


先ほど自分が言った言葉をそのまま返された。




《それでだが……
今 電話を掛けて来たという事は、未確認Xの便宜名でもついたのかや。》





未確認X……。


真綿が言っているのは、多分バージンキラーの事だろう。
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