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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第21章 Garden of Daydream…III




「おっと」



乱歩がぺらぺらと資料を読んでいたその時、またも電話が鳴り響いた。

今度こそはと受話器を取る。




「武装探偵社です」

《ああ、良かったわ!まだ居たのね》



違った。

女性違いだった。




「……嗚呼、隣町のイナバ屋の」

《今なんだかがっかりしなかったかしら?》

「まさか」



珍しく面白そうに笑った福沢が、

夜分に電話を掛けて来るだなんて珍しいなと言った途端。





《そうそう!ねえ、真綿ちゃん……あいえ、事情のほどは聞いています。その名は駄目なのでしたね。》

「? なぜ貴殿がそれをご存知で?」


件の資料を読み耽り、何だか複雑そうな顔をしながら話し合っている3人を尻目に尋ねると




《嗚呼、そう、それ!ご結婚おめでとう!》



「……………………は ? 」


唐突に理解し難いことを嬉しそうに、
それはもう嬉々として言われて福沢は、割と本気で低い声が出たと自覚していた。




《いつ、どんな時代にも生きているような、不思議な子。
ええ、福沢さんとも何だか合っているみたい。》


「待て。 どういう事だ。彼女は無駄なことはしない。
これは何かの符丁なのか?」




電話の向こう、可笑しそうに笑うイナバ屋の女店主がいた。


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