第21章 Garden of Daydream…III
「……その女性に連絡を取ることは可能か?
事情を聞きたい。」
福沢のもっともな意見は、特務課の彼も想定内の範疇だろう。
先んじて すでにその辺りは調べてくれていたようだった。
《女性は、男性を庇った際に負傷しておりまして
現在ヨコハマ総合病院で緊急外来として手当、聴取等を受けております。
もう既に終了しておりますので可能です。》
「そうか。感謝する。」
視界の端で、国木田がファックスからの紙を
今いる人数分刷っているのが見て取れた。
《嗚呼それから、ポートマフィアも動き出したとの情報が入っています。
彼らは如何なる人であろうと、ヨコハマを荒らす者には天誅を下す組織でしょう。
留意のほどよろしくお願い致します。それでは。》
静かに切れた電話を置き、国木田から渡された資料を見る。
「……バージンキラー……か。」
「ふーん……醜悪だねぇ」