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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第20章 Garden of Daydream…II




菜穂子を背中に乗せたまま闊歩した獣が、

バキリとその牙で吹き飛ばしたバージンキラーから奪い盗った鉈をへし折る。



横に真っ二つに折れた鉈が、地面に散らばった。




「……三島幹部。
頼まれていたこちらの用事は終了しました。」


獣の背から降りた菜穂子が、そう言った。



「助かったよ。

こちらは何としても無傷……とまではいかなくとも、負けるわけにはいかなかった。

その点で言えば、ナイスタイミングだ。」



微笑んだ三島が、菜穂子の頭を優しくなでた。

目を丸くした菜穂子が、頬を赤くさせて嬉しそうに俯く。





「しかし––––だ。
あれの骨はほとんど全て折ったものの、きっと……」




きりもみ回転したあの体躯の三半規管は、あの異能でもう治っているはずだ。


治っているのではなく、元に戻っている……と言うべきか。




「まあ、そうだよね」
「ま、そうだよなァ」





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