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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第20章 Garden of Daydream…II




否、違う!




【gRrrrr––––……!】



獣の猛る咆哮が響き渡り、地震のように周囲の地面が揺れた。




「––––申し訳ありません……っ!
急いだつもりでしたが、もうお二人の戦闘が始まっていまして……!」



二人の前に荒々しく着地した巨獣。



その背にまたがり、獣の首の毛を掴みながら駆けて来たのは、菜穂子だった。




【獣の奏者】。

上橋菜穂子が保持する異能力である。




「良かっ…、間に、合った……っ……」




超高速で疾駆、飛来してきたこの獣が、
バージンキラーを弄ぶように嬲り、体当たりしたのだ。


レンガの道路壁にバージンキラーをしたたかに叩きつけ、
肺から空気を強引に吐き出させる。




全身の骨が軋み、擦れ、粉砕された音が大きく鳴り響く。



バージンキラーの身体もろとも

このヤマイヌのような獣がコンクリートの壁までもをぶち抜いて、砂煙を巻き上げた。




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