第20章 Garden of Daydream…II
「……ふぅ……。……っ、!」
「おいっ……大丈夫か?」
バージンキラーが目の前で眠りこけたところで、三島が一息吐いた。
途端にげほげほと咽せた彼の顔は若干苦しそうだった。
「––––チ、早めに片さねェと手前ェが保たねッてか……」
今までこいつは、外の世界から隔離されていた。
あの花畑の病室に幽閉され、人と話すことも少なかった。
こうして今回外に出られているのも、次回こんなイレギュラーがいつあるか。
何年後?
数十年後か?
これ以上悪化したら、人間との接触さえも絶たざるを得ないかもしれない。
そうしたらこいつは、切り札にしかならない。
それが故に政府や司法省の判断で奥にしまい込まれ、
「明日世界が終わるかもしれない」と三島を手元に置き続ける存在にする……
首領は、それだけは避けたいとお思いだから、
ポートマフィアと政府は仲が悪い。
司法省は特A級の存在は投げっぱなしで我関与せずといった奴らの集まりだし……
「言っただろ。このくらいは予想のうちだ。
ここで僕がやらなければ、これまでのことが水の泡だ」
「そりゃ––––、……ン?」
「……え?」
中也と三島がバージンキラーを見据えた。