第20章 Garden of Daydream…II
三島の声で、バッと中也が身を低くした。
「––––【仮面の告白】。」
三島が己の異能力をそう諳んじた途端、
足元に異能発動の文字帯が沸いた。
「中也、耳を塞いでおきなさい」
「––––っ!」
ずるずると蛇の這いずるような気味の悪い音が聞こえて
ハッとバージンキラーが辺りを見回した。
「おやすみ」
三島が慈愛的に微笑んで、ぱちんと指を鳴らした。
澄んだ音が波となって増幅する。
これを聞いたら最後だ。
「っ––––!」
音が宙にはじけた瞬間、ぐにゃりと景色が歪んだ。
張った水面に、波紋が広がるように。
「いやー……
君が眠ってもいないのにこうやって強引に夢の中に引き摺り込むのは、本来とても骨が折れることなのだが……」
文字帯が奴の顔を締めつけ両目を覆い隠し、
視界が真っ暗になり声だけが響く。
急激に思考が冷えてきて、重たい眠気が襲ってくる。
「ぁ––––、う……」
ブツッとチャンネルが切り替えられるようにして、奴の意識が反転した。