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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第20章 Garden of Daydream…II


「説却 ––––。

聞いての通り、上橋と君達はこれから
僕と中也に着いてきてもらう事になる。」




夜中2時半。

突然、ポートマフィア五大幹部の二人に呼び出されたとあれば、
眠い頭を働かせて取り敢えず集うしかない。





場所を移動して中也の幹部執務室に来た三人の目の前には、
跪いた何百もの部下が侍っている。


その人数が入りきるほどに、幹部執務室というのは広いのだ。




「お任せを。」
「は。」


黒いスーツに黒い眼鏡、全身黒い部下が一様に深々と頭を垂れる。

三島がうん、といつも通りに笑みを浮かべ、中也がため息を吐く。



その間にも菜穂子が、まとめた資料を一人一人に配っていった。




「……で……だ。
君達は上橋のぞいて全員、男なんだけれど……

首領からその資料に載っている異能力者を殺害、あるいは捕虜にしてほしいと言われている。」



いきなり下された首領命令、しかも異能力者の殺害ときた。

黒服たちがその資料を見つめる。



その、赤い文字で表記された欄を見て、幾人かは身体が固まってしまっただろう……





「"恒常性"の異能力者。
体内環境を一定に保つことができる異能力。

便宜的に、『バージンキラー』と呼ばれている。」





先ほど首領から新たに伝令が来た。


どうやら、ポートマフィアと反りの合わない、ヨコハマの秩序維持をしたい政府も

今回ばかりは協力……否、停戦を持ちかけてきた、と。





「場所的にもポートマフィア傘下の組織から近ェからな。

一個班で行きゃァ、向こうと合流出来ンだろ。」




「すでに司法省は手を打ったみたいだ。
各地の異能企業に協力を仰いでいる。

マフィアとしては、それに便乗するつもりはないが……

ま、利害が一致している今のうちなら大丈夫だろう。」





いつの間に調べたのか、やはりこいつは抜かりのない奴だと

中也が再度 大きくため息を吐いた。
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