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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第19章 Garden of Daydream…I


そのまま左手を添えて
下から掬い上げるように刃を振り上げた。




「ぎぃ……っ!?」

「––––……」




未確認Xのあごから頬までが切り裂けて、夜空に血霧が舞い上がる。


視界の後方へと、血が吹っ飛んでいったのが見て取れた。



「嗚呼……痛いな、痛いなぁ?
抵抗してまぁ、痛みは増すばかり……」



振った刃の柄を逆手から上手に持ち換えて、
切り替えすように袈裟懸けを切りつけた。





「––––ふん……今の妾は、機嫌が悪い。

何しろ貴様のような穢れの相手をするなんて
どうにも興が乗らないさね」




振り向きざまに身体を捻って、
刀の刃が未確認Xの脇腹を深く裂き、突き抜けた。



足音をたてずに縮地、

とんと三歩ぶんまで後ろに退く。



間合いが開き、未確認Xがぼろぼろに切り裂かれた服を脱ぎ捨てた。




「……鬱陶しい」



眉を一瞬 顰めてから、

両手に持った小太刀を引き寄せて中段に構える。





「––––……男は殺す……」

「死に急ぐと負けるぞ?」




剣先が闇夜に閃き、剣戟が息を呑むことすら面倒なほどに速い。


未だ防戦一方な相手だが、気に留めている時間はない。





(……面倒な飛び道具とか出てくる前に仕留めなければ、なぁ……)





男は殺す、か。




(……って––––……ん……?)
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