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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第19章 Garden of Daydream…I




影が駆けた。



未確認X(便宜上)が受け身をとる、

攻めることより待つことを得意とする暗殺一般には不得手。




「–––– …疎影 横斜し……」




ここに、かつての彼らがいたのなら
初手でこれを使うことを咎めていただろう。

しかし、相手の詳細が判らないのだから
早めに殺っておく方が良いだろう。



––––急ぐことではないし、性急にしないといけないのなら撒くが……





「っ」


異能解放、詠唱を諳んじながら一歩二歩と距離を詰める。




「–––– 月 黄昏……」




異能発動の合図。


シアン色をした文字の羅列帯が身体にまとわりついた。

蛇が首を持ち上げるかのように、碧色の文字帯が身体を包む。



足元から霧が発生し、視界を徐々に曇らせてゆく。




「––––ふ!」


「ふ、ぬるいぬるい」



甲高い刃音を立てて、刃が滑り込むように旋回した。


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