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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第19章 Garden of Daydream…I




月光を全反射させて、
銀色に輝く刃が鋭利に光って反射する。




ぎらりと刃を返した彼女の行動に、目の前の未確認X(仮)は押し黙った。

否、声は元から出していないが……




恐怖すると、人は呼吸に出る。

詰まる。
間隔が短くなる。
浅くなる。




それは、彼女の耳を以つてすれば、
聞き分けることなど簡単だった。


積んだ経験や実践経験。

それが彼女の技を洗練させた一番のもの。




「ハ。そうかそうか……
世間も騒ぐ殺人鬼でも、恐怖くらいはあるのさなぁ」




月を仰いだ。
じりじりと、殺気が発散されてゆく。



「そう怯えて震えるものではないさね。
妾もこういう感じはとんとご無沙汰なのさ……

加減が良く出来ないかもしれぬよなぁ」




「––––……。 ––––……。」




「ふん、死人に口なしか?

良い良い……怯えるな、肉が固くなるさね。
切断する時の感触が悪い」




その瞬間、影が駆けた。






「来るか」


刃を構える。


人目のないことを確認し、彼女も一歩踏み込んだ。




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