第18章 色彩
恋愛感情とは、何なのだろうか。
幼くしてそういう難問に頭を捻らせていた僕が
ポートマフィアという、泣く子も黙ってからまた泣き叫ぶような組織に入り……
あまつさえ五大幹部などという社会的目上に登りつめたのは、何故だろうか。
誰かと手を繋ぐこと。
見つめ合って、キスをすること。
体温を重ね合い、分かち合うこと。
「……恋って、何のためにするのだと思う?」
そんな馬鹿みたいな質問をしたなら、きっとまた中也に怒られる。
ねえ中也
僕に恋人がいたとして、街中で何となく歩いていても違和感ないよね?
ねェな。怖いくらい。
僕の異能が、目が合うだけで効かなければ。
君のその澱んだ黒い瞳が
こんな僕を真っ直ぐに見つめてしまったことが、君の失態なんだよ。