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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第18章 色彩


喉を通るハーブの香りが、茶葉の良さを感じさせる。



「……これは、素晴らしいものですね」

「だろう! そうだ三島君、今度エリスちゃんのために淹れておくれよ」

「ええ。勿論」


ふと笑った三島の膝に、エリスが乗っかった。

真紅のベルベットがひらりと舞う。




エリスはいつもこの森のそばにいる。

意思がないようにも見える、森からは離れられないと言う何かの繋がり。



「……で、だね。三島君。それと紅葉君。
二人へ私から指示がある。」


「……ほぉ」
「……はい」


森が手を組み、顎を乗せた。



紅葉が面白げに袂で口を覆い、笑う。

三島の膝にいるエリスが、三島にもたれてくすくすと肩を揺らした。




幹部二人の目の前に黒いファイルが置かれ、それをめくる。



「……ほう…これはこれは……の」

「……へえ〜……」


二人が不敵な笑みを浮かべた。



ポートマフィアをうろつくねずみがいる。
そのねずみが手を出してはいけない範囲にまで及んできたらしい。

ねずみ捕りで獲ったものの、口を開かない––––と。



「紅葉君とこに拷問専用の班がいたよね。
そのファイルをまあ、よく読んでくれ給え。」


首領がにこりと笑う。
執務室の部屋内に殺気がこもり、黒服たちがびくりとした。

幹部以上がいる場と言うのは、こんなにも息の詰まるものなのか。





「……僕が呼ばれたってことは、ねずみは女の子なのかな?」


「そう。宜しくね三島君。
紅葉君とこの班がもう少し手こずるようだったら君も入ってくれるかな」
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