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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第17章 もういいかい?





「私は太宰治。 齢は二十。どうぞ宜しく」


太宰、と名乗った男がその包帯だらけの手を差し出した。



俺は何となく秀麗な顔をしたその男を見、

それから首やら腕やらに巻いた包帯を目でたどる。





「……社員の国木田だ。判らん事があったら、俺か……」



ちらりと見たのは『あの彼女』の席。

ここで墓穴を掘るのは避けたい。




「……否、俺だ。俺に聞け。」

「……、おお! 噂に高き武装探偵社の調査員ですか。感激だなぁ」



今の押し黙ったほんの数秒が気になったらしかったが

太宰は強引に俺の手をぶんぶん振る。




「説却––––ねえ、国木田君、何だか人少ない?」

「嗚呼……、与謝野女医も賢治も出てるからな。」


お前の机はそこだと 国木田が示した。


隣。

散らかしてくれるなよ。



俺の向かいとはす向かいは空席……ではなく

俺のはす向かいは彼女の席だ。




「そうなんだ。忙しいんだね」




ちらりと太宰が、机群を広く一瞥した。



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