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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第17章 もういいかい?


「無論、私にもその考えがなかった訳ではない……」


国木田の顔に、その安直で妥当な打開策が書いてあったのだろう。

悟った社長が低い声で答えた。




「探偵社に来るのは、あるじである私がここにいるから、と。」


もしも私がどこへ行こうとしても

あの彼女ならどこへでもついていくだろう。



社長が望めば、きっとその全てが一身に手に入ったのだろう。

死ねと言われれば介錯し、殺せと言われればすぐに実行する。


彼のためだけに声を捧げ、地獄までついて行く。

それが、真綿の矜持だから




「だが、それを振りかざして強要させるのは筋違いだろう」

「……それは…」

己の考えは、ただ圧力で真綿を縛り付けるものだ。
確かにそれは筋違いもそうだろう。



「……はい。その通りです」

「それで、だな。新入社員は国木田、お前に任せたい。」

そんな状態で真綿に任せるのは避けたい、それは国木田でなくても思うところだろう……




「其奴の、名は」

「嗚呼……入れ」


社長室が開いて、いつもの事務室へと

踏み入れてきた男。
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