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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第14章 明くる日の戦士たち


「き––––……れい……」



空へと舞って、星空を占めた桜色の透かしがすごく綺麗……



片手で軽くなびいた髪を押さえて

花びらの舞った夜空へと視線をずらす……




「……ふむん?」



夜空をそっと見上げた、私の頭上……

つまりは桜の木の上から


何やら声が聞こえてきた




「ぇ____?」


目の前に聳える、古くて大きな桜の木。



その存在感に呑まれて 気付かなかった…


というよりかは

その人が、意図的に気配を消していたようにも思えますが…



桜の木の幹にゆるく背をあずけて

寄り添うようにして もたれ掛かっている、女性…?



白無垢のような 純白の着物に、この夜空のような、澄んだ紺碧の袴のかさねが

彼女の存在を神聖なものに見せていた。




「何だ、貴様も夜桜見物か?

風流よな」


私の頭上にいる 桜の木にもたれたその白い着物の女性が

こちらを振り向く。



(すごく、綺麗)



美少女という域ではなく

成熟した女性の色香がじわりと滲んでいて



まるで精巧に造られた人形…


精緻な顔の部品1つずつが、これ以上ないほど彼女に合っていて


既視感がした…



私、この人とどこかで……



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