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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第14章 明くる日の戦士たち





異能力開帳に約三秒、足すことの定句詠唱に約五秒。


速さは異能力で底上げされるとして、

対象まで距離を殺すことの––––



ほんの一秒。


十秒にも満たない、静謐なる舞踏。



「妾が異能力を前にして……逃げ切れるものが有ろうかよ」



鞘に収まったままの小太刀を、標的捕捉した相手の
鳩尾、腹、下腹、振り向きざまに首、眉間……と

活殺点に柄尻を打ち込んだ。


頚椎を打たれて脳を揺すられた囮の一人が膝をついて痙攣、倒れる。



「独歩、もう一人を」

「嗚呼!」


真綿がそう声を上げたとき、すでに国木田が相手を捕捉していた。

手に掛ける速さは真綿が勝ったが、捕捉速度は国木田が速い。



主犯のもう一人へと鉄線が奔り、両足を搦め捕って引き倒す。



「……よし」

「うむ、我々のお手柄だなっ」


そう言って笑った真綿の顔に満足感を覚えた国木田が、男二人を拘束する。



嗚呼、今日は良い酒が呑めそうだ––––。





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