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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第12章 孤独の剣士との因果


「ん……っ!?」



掴まれてしまった、得物を持った自身の手を引き戻そうと力尽くで抗うが

斥力もない、純粋な膂力では敵わない。



「ん、っん –––––、ぁふ、」


獣のように舌を貪られ、不意打ちのそれに力が入らない。



びくんと震えた真綿の華奢な肢体を押さえつけるように

福沢の腕の中に閉じ込められ、押し戻した力は弱いものだった。





「んっ……く…ぁ、む、んんっ…?」


唾液の入り混じる音が二人の間だけに響き、何かが急速に失われてゆく。



何かってなんだ、さっきまでの殺意とか闘志とか憤怒とか

そんなレベルじゃなくてとにかく何か。




「〜…っ、ぷはっ… ってはあ!?」



ようやく離れた唇から出た第一声は、簡素なものだった。



「は!? ぇ、はあ!?」


「ふ、いかな暗殺者でも常人の婦女のように驚き恥ずかしがる……か。」



福沢がぱちんと音を立てて刀を鞘に収めた。
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