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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第10章 スイートセンチメンタル …3月14日


「ふふ…っ」


まるで恋に現を抜かす少女のように。

菜穂子は 三島を脳裏に思い浮かべながら、口角を上げた。



自分の敬愛する幹部と、今日たくさん話せたことに大いに満足していた。

心臓が心地よい温かさと拍動に包まれて、あの声を思い出すだけでにやけてしまいそうだった。




「…三島幹部って、もう、本当に素敵……っ」




芥川先輩は、こう、触れるだけで切れそうな鋭い格好良さというか、
それはもう一匹狼っぽい粗忽さがあるけど……



三島幹部は何というか、むしろ触れていないと脆く崩れてしまいそうな

そんなことは絶対に無いということが判るのに、心が切なくなる。





三島幹部を知るほどに、話すたびに。

その指先で、瞳で、愛されてみたい……



もし____。

全身で愛されて、愛を囁かれたなら。




「……あれ?」


ふと、気付いたことがあった。

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