第4章 愛〜福山潤side〜
こんな時に、小野がここに居るとは思わなかった。
だから驚きと、早く向こうにいってほしいという気持ちが混ざり合ってしまい、つい小野を睨んでしまった。
神谷さんも、キスに夢中で気付いてないし、小野も悲しそうな顔してたけど、向こうに行ってくれた。
前々から、神谷さんと俺が付き合ってる、なんて噂があったし、告白は成功____のはずだった。
けど、何だかすっきりしない。
この胸のもやもやが晴れなかった。
小野の悲しそうな顔のせいだ。
だから俺は、小野の気持ちを確かめるべく、小野の家に向かった。
でも、小野が神谷さんを好きって勘付いてしまった時から、小野に神谷さんを取られたくないという束縛心が俺の心の中で生まれた。
だから、俺は「神谷さんと俺のこと、手伝ってくれないか?」なんて馬鹿げた事を言ったんだ。