第4章 愛〜福山潤side〜
「うう、寒いなぁ。今日は。」
俺はかじかむ手を、息で何とか抑えながら、
1人でつぶやいた。
でも、そうでもしてないと、本当に凍ってしまいそうだった。
今日の天気予報で言うと、予想気温は最高でも5度くらい。
大分厚着にしてきたつもりだったけど、
こんなんじゃ全然足りないくらい、風も強くて...
とにかく寒かった。
その時。
「潤、大丈夫? これ、あげよっか?」
聞き慣れた優しい声で俺に話しかけてくれたその人は、
まぎれもなく、正真正銘神谷さんだった。
「どしたの?」
神谷さんは笑顔でカイロを手にしながら、そう言った。