第3章 キス
「ダメ...?」
じゅんじゅんはアニメの時くらいにしか出さない女の子みたいな声で僕に聞いてくる。
断りたいけど、こんな声で言われたら断れない。
やっぱり僕って“単純”なのかな。
もし、じゅんじゅんが言ってることが嘘なんだとしたら
僕、簡単に騙されてる。
深入りはしないほうが良い。
知らない方が幸せなことだってあるから...。
僕が小さく頷くと、じゅんじゅんは飛び跳ねて喜んだ。
「じゃあまず、僕が神谷さんを好きになったその理由を説明するよ?」
じゅんじゅんは話し出す。
「あれは、今から2年くらい前?」
そして、じゅんじゅんは、神谷さんの事を好きになった、というか好意に気付いたきっかけや状況を、説明上手にゆっくりと語り出した。