第6章 SSS キャラ×男主:電子作品篇(―/27日更新)
★TASタロス(バーチャル竜宮城編)
お尻がくんっと後ろに引かれたから振り返ると、ヤマサチヒコの神器から現れたひとつの釣り針が俺のTバックに引っ掛かっていた。ヤマサチヒコはそれに気付いていないようだけど、ひとたび神器を振るうか身動きをされれば、簡単に下着は解けてしまうだろう。
「ヤマサチヒコ、動かないで、お願い!」
「んぁ? オイになんか言ったかのう、是正!」
「う、動くなぁっ!」
その直後、はらりと床に落ちる真っ白な三角形の布。訪れる開放感や突き刺さるあまたの視線。あぁ、脱げてしまったのだと絶望しても出てしまった息子はどうしようも出来ない。呆然としながら局部を覆い、その場にペタンと座り込むと、勝手に涙がぽたぽたと垂れてくる。
タロスは自身の肉体で俺を周囲から隠しながら涙を拭ってくれた。あちらで着替えましょうと自身が羽織るシャツで下半身をぐるんと包んで抱え、ヤマサチヒコを静かに恫喝した後に歩き始めた。
「オイなんもしとらんぞ……」
『気をつけるに越したことはないさ! チュウ!』
★TASオニワカ&ザバーニーヤ
「我が主よ、お目覚めですか」
「是正様、いい加減に起きねぇと目ん玉溶けちまうぜ」
俺が掛け布団をきゅうっと抱きしめながら寝返りを打ったタイミングで、比較的近くから二つの声が降り注いできた。微睡みの僕から抜け出せずにうっすらと目を開くと、オニワカとザバーニーヤさんがベッドに乗り上げてくる。
競って牽制し合うように視線の火花を散らしながら、のそのそと熊みたいに這い寄ってきて、手つきは優しいなれど俺から布団を奪ったりパジャマのボタンを外しにかかったり。
俺はこれから二人に身ぐるみを剥がされて制服に着替えさせられるだろう。『どちらが従者として相応しいか』という不毛な争いが生んだ甲斐甲斐しさのせいだ。でも二人に言わなきゃならない事がある。
「ざばーにーやさん、おにわか、きょうは、にちようだから、がっこやってないよう」
「!!」
「!!」
「まだ、ねさせて」
「も、申し訳ありません」
「……御意に」
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