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日章旗のデューズオフ

第8章 【伍】実弥&煉獄(鬼滅/最強最弱な隊士)



「今のテメェがどれだけ筋肉達磨だろうが、俺ァあの時の征服欲が満たされりゃ見た目なんざ気にしねェ。おら、もう懸念材料はねェよな。抱かれる事自体に抵抗は無いみてェだから、今夜にでも抱かせろ。良い加減、気が昂って仕方無ェ」
「めちゃくちゃにしたいんだか可愛がりたいんだか分からない性癖倒錯が本当に無理です」
もう抱く気満々なのも嫌過ぎる。風柱殿が賭けに勝って初めてその話が浮上してくるのであって、現段階で判断を押し進めようなど有り得ない。そもそも抱かれる事に抵抗有りますけど。
「先ずは型を見せて貰わないと始まりませんよ。お生憎ですが望みは叶えて差し上げられそうに有りませんので、当初の希望通りふたつだけでお願いします」
「却下。全部見ろ」
「ふたつだけでお願いします」
「断る。全部だ」
――その後は陽が落ちるまで延々と、堂々巡りの言葉の殴り合いを続けていたが、幸か不幸か落暉した直後に杏寿郎さんが割って入るように闖入してきたから、何とか風柱殿との不毛な遣り取りは終幕した。
そのせいで、焚き火の始末を済ませて下山しようという雰囲気になった頃はとっくに風の型を見損じているし、結局は賭けの勝者が杏寿郎さんに落ち着いてしまい、鬱屈した欲求が更に積み重なる結果となった風柱殿は、腰掛けにしていた倒木を木っ端微塵に吹き飛ばしながら怒りを顕にしていた。



第伍話 終わり
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