第6章 SSS キャラ×男主:電子作品篇(―/27日更新)
★TAS本居シロウ(バーチャル竜宮城編)
シロウの視線が痛い。それもそのはず、俺は大人数の前で裸同然の格好をしているからだ。普段の俺を知る彼なら異様な姿だと思うに違いない。ぼーっと俺の身体へ視線を落として離さないから流石に恥ずかしさも天を衝き、胸元と局部を手で隠して身をよじる。するとようやくシロウも我に返り、赤ら顔を背けながら謝罪を零した。
「す、すまない……いや、その……あまりにもその……っ!」
「俺こそごめん、こんな格好……見苦しいよね」
「見苦しい……いやどちらかというと息苦しいというか、窮屈というか」
「えっ、大丈夫っ? シンノウさん呼んでくるっ?」
「い、や大丈夫っ! うんっ!」
それを隣で見ていたヤマサチヒコが「青いじゃあねぇかぁ」と豪快に笑ったのを期に、シロウはいよいよ肩口まで真っ赤になって足早にその場を離れてしまった。
★TASアルジャーノン(バーチャル竜宮城編)
アルジャーノン先輩の速さに追い付けるのはここがバーチャルである為だ。早くと望むから早く動けているだけ。でも僅かに気を弛めてしまうと直ぐに先輩の姿を見失ってしまった。架空の世界で汗を拭いつつ辺りを見回すが、俺に付き従ってくれているタロス以外の姿が見えない。
「母様」
「タロス、先輩はどこ?」
「彼なら――……」
タロスが口を開いたタイミングで後ろから口元を覆われる。背の高いタロスの口を塞げる人は少ないから、犯人は先輩だと直ぐにわかった。低い声が俺を鋭く咎める。
「……新人、遅れるなと言ったはずだ」
「すみません、はぐれてしまって」
するとヘルメットの『ネズミ』さんがからかうような声音で『是正、気にすることはない! バディは君の気配がしなくなった途端に大慌てで踵を返したのさ。怒っているわけじゃないから心配する必要はないよ!』と口を挟んでくる。
「そっか……アルジャーノン先輩、戻ってきてくれてありがとうございます」
「……ふん」
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