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日章旗のデューズオフ

第8章 【伍】実弥&煉獄(鬼滅/最強最弱な隊士)



そして、しっかりと頚に巻き付いてきたかと思えば、更に互いの顔を引き合わせてきた。近いなんて距離じゃない。鼻先を触れ重ね、吐息を絡めて溶かし合う距離は、もはや『近い』なんて形容詞で表現し得ない。
「かぜばしら、どの……ッ、あ、あの……ッ」
「一晩掛けてテメェをじっくり可愛がりてぇ」
「ッ……!?」
「テメェを抱きてぇつったんだよ、分かんだろォ」
「言ってる意味が分からないほど子供ではないですがッ……」
まさか、そんな事を望んで来るとは思ってもいなかった。霞柱殿みたいに中性的な顔立ちをしているわけでも、竈門みたいに打てば響く素直さや愛嬌が有るわけでもない。ましてや姐さんみたいに豊満な美しい肢体を持つ女性ですらないのだ。なぜ俺を抱きたいなどという発想が生じるのだろう。
「風柱殿……、まさか……、あの……、何日も処理されてない、とか……」
「下手な所で頭の回らねェ奴だよなテメェはな。自涜の話をしてんなら問題ねェよ、日頃抜いてる」
「その情報聞きたくなかった」
「深慮が過ぎるテメェの為に全ての可能性を潰してやるが、テメェを抱く理由は鬱憤晴らしでも気紛れでもねェからな。誰かの代わりにしようって話でもねェ。俺はテメェだから抱きてぇんだ。名前っつう人間に興味が有って、可愛い奴だと思うから抱きてぇんだよ。分かったかァ」
「……それはその、同衾の範疇を超えた、性的な行為って事ですよね。裸になって、交合う、奴ですよね」
「執拗ェ奴だな、はっきり言ったぜ俺ァ。単に照れ隠しで惚けてンのかよ」
「……圧倒的に男が多い里では陽物同士の房中術も横行してましたし、何をどう使うかといった知識は人より有ります。忍ではない一般の同性同士が交合をするという事実にも理解が有ります」
「待て。つまらねェ話する気だな」
「俺を気に入って頂けてるのは素直に嬉しいです。でもやっぱり何故俺を抱きたいなんて思えます!? 筋肉ですよ!? 貴方より背も幅も有るんですよ、俺!!」

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