第6章 SSS キャラ×男主:電子作品篇(―/27日更新)
★TASタロス
珍しくタロスが椅子に座っていたので「どうしたんですか」と本人に尋ねると「創造者がパーツを探している真っ最中である為です」と言って自身の膝を指差した。確かに内膝に一本のビスが嵌りそうな穴が空いている。戦闘訓練中に経年劣化が認められたからヘパイストスがラボまで部品を取りに行っているらしい。成る程、じゃあタロスにちょっかいを掛けるなら今しかないわけだ。
「いつ見ても逞しい良い脚ですね」
「ありがとうございます」
「触っても良いですか」
「創造者の許可が確認できませんので御遠慮ください」
「やです」
初めから許可など得る気のなかった俺はタロスが黙りこくったのを良い事に、太腿に両手を押し当てて太さを測った。中指と親指が百八十度の位置で互いに触れ合わない。かなりふとましくてむちむちだった。人肌の吸い付く素材と相まって揉み心地も良い。
「俺の腰より太いかも……」
「そうですか」
「あうっ!?」
と、タロスは突然、俺の腰を鷲掴む。彼の大きな掌ですっぽりと抱えられ、腰の窪みに指がくい込んでいくのが分かった。まさか彼が仕返ししてくるとは思わず戸惑っていれば、用事を済ませたヘパイストスが帰ってきて早々に状況を把握し、激昴しながらタロスを殴り付けた。
★TAS崎守トウジ
シロウとケンゴの幼馴染みらしいコントのようなやり取りを見ていると、羨ましいような妬ましい様な不思議な気分になってくる。俺にはあんな気安くやり取りが出来る相手が居るのかすらも覚えてない。勝手に居心地を悪くした俺は和やかな雰囲気に愛想笑いを零しながらそっと壁際に寄ってしゃがみ込む。
「大丈夫か」
「……トウジ」
そんな時、トウジが必ず気に掛けてくれた。帯刀を解き、俺の横にどかりと腰を下ろして頭を撫でてくれるのだ。不器用な優しさがじんわりと首元を温める。引き寄せられるまま肩口へ寄りかかるとトウジの低い吐息が耳を掠めて。胸に開いた穴を埋めるには充分な甘い毒だった。
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