第5章 SSS キャラ×男主:漫画作品篇(―/2日更新)
★GK尾形百之助(同衾主続き)
カラーバーの光が差し込む廊下の真ん中で空気を裂くような電子の悲鳴に包まれながら無言で見つめ合い続ける。再会を喜びたい気持ちは勿論あるんだけど、何より混乱が勝って何も言えないのは紛れも無く尾形本人の見た目が起因した。
(ほんとに尾形だ……だけど)
およそ一年ぶりに現れた懐かしい存在。ただし――縫合痕がない坊主頭の尾形百之助だ。正体を確かめようと顎へ指先を差し伸ばし、つるりとした皮膚を恐る恐るなぞる。
(……)
やっぱり改めて触れてみても男らしい輪郭に傷もなければ凹凸もない。砕けた顎骨の感触なんて元々分からないけど、造反後の彼の顎なら多分もっと複雑で繊細な皮膚の違和感がある筈。そう思っていただけに無駄な肉が付いていない若々しい証拠を見て、自身で疑惑を確信へ固める結果に鼻白んだ。
「きれい、だ……」
「男子がきれいと称えられましても。嬉しくありませんな」
あ、違う、容姿じゃなくて傷のない皮膚の方。そんな反論もさせて貰えない内から尾形は余裕そうに嗤う表情をとつぜん切り崩し、横抱きの俺の腹へ顔を埋めるように俯いてしまう。一瞬だけ見えた顔は切なそうに歪んでいた。
「えっ」
「逢いたかった、ずっとこの時を待っとったんです。まさかアンタがあの時と変わらない姿を象っている事には驚いたが埋まらない筈の年の差が縮まったと、かえって好都合だと思うことにします。名前さん、俺はもうアンタに相応しい姿に成長しているはずです。いい加減、揶揄うのはよして下さい」
「えっ まって 無理 どうゆうことかわかんない えっ」
「……えっ」
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