第5章 SSS キャラ×男主:漫画作品篇(―/2日更新)
★GK白石由竹(同衾主続き)
白石は言うほど臭くなかった。あの時代の事情を鑑みれば臭くならざるを得ないかもしれないけど、この世界で衣食住を過ごしていれば早々体臭がキツくならない筈だ。幸いにもまだ彼は若い。俺より杉元より年上って事には驚いたけど。
「ん……」
「嗅ぎ過ぎよォ? 恥ずかしいなァ?」
「なんか、ぽかぽかした、においしましゅ」
「杉元ォ……苗字ちゃんが酔うとこんなに可愛くなるなんて聞いてねぇぞ……」
「くしゃくない」
「うふふ、同じ石鹸とか使ってるから、苗字ちゃんも俺と同じ匂いしてんだぜ」
「うふふ」
「これからも俺と同じ匂いで、じいさんになっても、隣で笑っていてくれるか?」
「せりふはくしゃい」
★GK白石由竹&月島基(同衾主続き)
その日、特に深い理由もないといった朗らかな表情で白石が尋ねてきた「そういやぁ、杉元以外に苗字ちゃんちに来た奴っていんのか?」という問いに俺が答えた時、二人に分かりやすい激震が走った姿を見逃さなかった。
「お、おおお尾形!?」
「危害は加えられなかったか」
「と、特には」
血相を変えて静かに怒りを露わにする月島とは対照的に、白石は軽く身を引いて困惑していた。そんな二人を目の当たりにしてしまったら、同衾した・押し倒された・『ケツ洗って待ってろ(意味深)』的な事を言われた諸々の事実は言えない。きっと面倒な事になる。取り敢えず「初めて会った時から冷静に受け入れてましたよ」と濁しておく。白石は軽く首を捻った。
「妙だな。尾形ほど警戒心の強い男なら、こんなことになれば誰よりも気を張りそうなのによ。初めから全てを受け入れて苗字ちゃんに従うって……少なくとも俺が知ってるあいつじゃねぇな」
「苗字くんには悪いが俺も同意見だ。君の人の良さは共に過ごしていく中で知り得るもの。尾形が初対面で尋問もしないまま気を許すなど想像できないな」
そうして二人はお茶をすすめるまで延々頭を捻っていたし、その後も俺の与り知らぬところで話し合って尾形の真意を探ろうとしていたことは最後まで気付かなかった。
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