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日章旗のデューズオフ

第5章 SSS キャラ×男主:漫画作品篇(―/2日更新)



★GK月島基(同衾主続き)

説得という形をとって何とか自力で窮地を乗り越えた白石は俺を横目に睨みながら恨み言を零してきた。裏切り者だとか弱虫だとか散々文句を垂れてきて流石の俺もイラッときたから、彼の夕飯は冷や飯にしよう。
白石の説得に加えて、俺からもこの世界のことや今起きたことを説明すれば、月島は次第に落ち着きを取り戻し、大人しく銃を下ろしてくれた。一様に「ここには貴方を脅かす者はいません」と言うとスッと態度を改めてくれるから不思議だ。それだけみんな気を張っているんだろうか。
「苗字くん、悪かった」
「気にしないでください」
「……」
「これから夕飯にしますが、おうどん好きですか?」
「いや、構わなくていい」
「え……」
「言い分は分かった。今は蟠りも捨てよう。だが警戒を怠る事は出来ない。理解しがたい場所で素性の知れない人間が作る飯を受け入れる訳にはいかない」
「服毒や黄泉竈食を恐れているんですか。杉元佐一が無事に元の世界へ帰った事実は無視できないと思いますけど」
「まだこの目で実際に確かめていない事を信じるというのは難しい」
「……樺太先遣隊は解散なさりましたもんね」
「――……その口振り、どこまで知っている」
張り詰めた空気に初めて戸惑いの感情を練りこんだ月島は、化け物を見る様な目を向けてきた。月島みたいな男性には寛容ではなく支配を持って接した方が良いかも……という思い付きだったが、上手くいったみたいだ。微笑み返す俺に月島は溜め息をつくと「ご相伴に預かる」と苦々しく囁いた。

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