第5章 SSS キャラ×男主:漫画作品篇(―/2日更新)
★BL黒崎一護&茶渡泰虎
「いちご、お昼一緒いい?」
「おう、いいぞ」
お弁当の包みをふりふりと軽く揺すりながら話し掛ければ凛々しい表情が少しだけ解けて頷いてくれる。それならばと横に控える茶渡君にはしっと抱き着いて「ゆけ、茶渡君!」と叫べば、巨体がのそりと屈み込んで俺をあっさりと抱き上げた。
「おい、チャド。目立つからやめろ。自力で歩かせろ」
「茶渡君の高さは見晴らしが良いんだ」
「ちびっこだもんな、お前はな」
「言ってろ、ばかいちご!」
悪態をつく俺を黙ってだっこしてくれる茶渡君と、そんな俺達に文句を言ういちごで屋上へと向かうのが日常だった。
★IC21進清十郎
圧倒的頂点はつまらない。用意された道程を越え、数多の夢を簡単に振るい落とし、酸欠に喘ぎつつもにわかに辿り着く頂点は、とうぜん他者の追従を許さぬ結果ゆえに、孤独だった。
王城ホワイトナイツは、わざわざそれを『孤高』と銘打つ。王者の頂きを、息苦しいと感じていたのは俺だけだったらしい。彼らは孤高を崇めた。
(……)
果たして俺は、団体競技で孤高なんて求めちゃいなかったし、入部した年にはもう最強だったチームなんて、正直つまらなかった。泥臭く這い上がるスタンスを、巧みな戦略を行使して勝ち上がるカタルシスを、俺は求めていたのだ。
泥門へ転入して数ヶ月。土手の近くでランニング途中だった進に捕まり、彼らしくない冷静さに欠けた態度で、俺の所在を聞き出そうと躍起になる姿を見た時にはっきりと感じた。最強・王城ホワイトナイツに――進清十郎に勝ちたい、と。俺の持てる全ての技で倒したい、と。
★AoTミケ・ザカリアス
自分の方向音痴にはうんざりする。上官へ訓練報告書を持っていかなければならないのに、さっきから同じ所をぐるぐるぐるぐる回っている気がする。既に二度ほど口頭で案内してくれた巡回当番の上官が三度目の邂逅の際にべしょべしょに泣き腫らしていた俺を見かねて手を引いて行ってくれることになった。優しくされたら泣いちゃう、自分が不甲斐なくて、上官が優しくて。
「すみませ、んぐっ」
「泣くな、壬生。リヴァイの部屋は本当にすぐそこだ」
「……うぇっ」
提出時間が大幅に遅れた挙句にやってきた号泣団員と、そんな間抜けの手を引いて入室してきた同期の姿を見た兵長は結構驚かれたらしいと後に知った。
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