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日章旗のデューズオフ

第3章 阿散井恋次&京楽春水(BLEACH/酒宴の悪戯)



――"ソレ"を見ないように見ないようにしていたし、その全体図が三席のお陰で隠れていたからまだ良かったのだ。俺が罵り出すと同時に片膝を立てて中腰になった先輩は清々しいほどに全裸だった。
局部が三席の頭部でちょうど見えないでいるのが悩ましい。いつの間にか正面に座っていた恋次が青い顔で目を逸らしているから恐らくかなりの観音開きであられるのだろう。あえてどこがとは言わないが。松本副隊長は居ない筈なのに、この醜態である。
「お前はな、目上に対する態度がまるでなってねえ。自覚あるんだろ。オレ様がきっちり教え込んでやるよ」
「全裸で何を教え込もうって言うんスか檜佐木さん」
「阿散井は黙ってろ。これはオレとこいつの問題だ。おら、早くこっちこい苗字!」
「三席、そのウニ刺し喰いたいっス。取ってください」
「あ? これか?」
「無視すんなコラァァッ!」

***

怒りに任せて俺に飛び掛かろうとする檜佐木先輩は、回り込んだ恋次と斑目三席が押し留めているから良いとして、それを鼻で笑う俺の背後からまたしても新たな脅威が迫っている事はいただけない。
酒で気が緩んでいるせいなのかわざとなのか、霊圧が殆んど消せていないから相手が抱き着いてこようとしているのが簡単に分かった。恋次と違ってあからさまに触れようとする人といえば、この人以外にいない。視界の端で桃色の袖が不規則に翻ると、俺の顔より大きい掌が目の前で指を絡め合って、そのまま目隠しをされる。
「名前く~ん、楽しんでるか~い?」
「重いです、京楽隊長」
「相変わらず冷たいねぇ。良いじゃない、酒の席なんだからもう少し警戒を解いてくれても」
「環境が変わろうが京楽隊長は呑みっぱなしだ。つまりそういう事ですよ」
「……こりゃあ、手強いねぇ」
手強いのは一体どちらだと云うのか。口達者な俺でも流石に隊長へ対して今以上に強く出ることは出来ない。これが恋次相手なら肘鉄して引き剥がした後にタコ殴りしてやったっていいのに。
へらへらと笑う京楽隊長は甘い花のような体臭を纏いながら俺をすっかり抱き込むと、固まる身体を解きほぐすかのように脇腹を擽り始めた。俺が弱い部分を的確に、重点的に、丁寧に擽っていく。

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