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日章旗のデューズオフ

第3章 阿散井恋次&京楽春水(BLEACH/酒宴の悪戯)



「つかアンタら、ちゃんぽんしたのか」
「あー、そういや色んなもん呑んだかもな」
「……本ト、身体壊しますよ」
何を呑んだのか厳密には思い出せないと笑う三席。細かい事に執着しない姿勢は時として褒められるだろうが、戦いで死ぬ事が出来れば本望と常日頃から豪語している癖に肝臓を壊しては意味がないと思わないのか。
三席の喉仏が何度も上下する姿を呆れ半分心配半分で見詰めていると、彼を挟んだ向こう側の先輩が突然一升瓶を卓上に叩き付けてから俺に向かって身を乗り出した。目が完全に据わっている。
「なんだよ苗字、先輩の心配するなんてかわいいとこあるじゃねえか!」
「ウザいっス」
「オレには冷たくないかお前」
「先輩は酒で逆上せてるでしょうから冷まして差し上げてるんです」
「そうか! さすがオレの後輩だな!」
「ウザいっス」

***

檜佐木先輩は真央霊術院生時代に先輩だった人だ。俺は恋次と別クラスだった為、後に彼らの心へ痼を残すことになる例の現世実習を体験していない。それから特に先輩と対面する機会もなかった。
でも恋次や吉良が度々彼を話題に挙げるので、名前だけは知っていたくちで。そこからどう転じて親しくなったかなんて語るのも野暮な気もするが、護廷十三隊に配属された折に幼馴染み経由で親しくなったとだけ説明しておく。
初めて顔をあわせた時、先輩は何故か俺を知ったふうで、どこかで会ったことがあるかどうか聞いてきた。数十年分の記憶を適当に遡っても心当たりは無かったから素直にそう答えると、彼は小首を傾げつつ困惑した表情になったことを覚えている。
その時にあまりにも食い下がってきたので、俺も妙にその問いが気になってしまい、しばらく悶々としていた時期もあったりする。しかし、そう簡単に上手くいくはずない。知らないものは知らないし分からないものは分からないのだから。しつこい先輩に追いかけ回され続けた結果、顔を見るだけで腹立たしく思えるようになっていた。なんだよ69って。
「苗字、オレの横にこいよ」
「イヤっス」
「なんでだよ」
「身体に聞いてくださいよ」
「身体に聞くってお前……エロいな」
「気持ち悪いんですよマジで!」
「テメッ……先輩に向かって気持ち悪いとはなんだ気持ち悪いとはっ!」

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