【ONE PIECE】 淡く、儚い、モノガタリ 【ロー】
第2章 別離。
シェリルside
* * * *
「どうして……ッ、!!?」
「シェリル…っ、!!」
溢れた感情は…、トマラナイ。
荒々しい影が、視界の片隅に見えた。
色鮮やかな視界が、徐々に、「赤色」に埋め尽くされていく。
ローの私を見る目が、悲しくて、苦しい。
制御の効かない影は、荒れるばかり。
「やめろ、シェリル…、!!」
「嫌だ…行かないで、ロー、!!」
私を、一人にしないで…っ、
ローが苦渋の決断をしたのも、分かる、分かってる。
でも、それでも、どうしても…認められない自分がいる。
彼の言葉を聞きたくなくて、耳をふさいで、床にしゃがみ込んだ。
次々と口から出てくるのは…、
「アイツが来なければ…ッ、」
「私が…っ、ウェルストの血族だからっ、?」
「ずっと、あの檻の中にいれば良かったッ」
─────ローと…、出会わなければ良かったッ!!!
自責と、憎しみと、否定。
最後に、言い放った言葉で、彼はひどく傷ついた顔をした。
それでも私は、止められなかった。
その後も、ひどい言葉を吐き、彼を傷つける。
「奴隷だった私を見下して、さぞ滑稽だったでしょうねッ」
「バケモノとの生活なんて、嫌だったでしょうっ、!?」
「海賊に入るのだって、ただ単に、私から解放されたいだけでしょうッ、?!」
─────ローなんか嫌いっ、大嫌いッ、!!!