第1章 第1セット。
なーんて、学生生活で叶うはずのない悩みなんて考えながら数学Ⅱの先生が黒板にスラスラと問題を書いているのを見て
ノートの隅に落書きする
授業中の小さな抵抗。
あぁ、退屈だぁ。て書いて
昨日見たゆるキャラの落書きをして一人楽しんでいると隣に座ってる男子がチラッと私のノートを覗いてきた。
「うわー。真剣に授業聞いてると思ったら落書きに必死とか、」
「まぁ、タマだからそれは無いわー」
からかうようにケラケラと小さく笑ってる彼とその彼の後ろの女子にも毒吐かれた。
「みんなして辛辣ッ!」
ちょっとムカついたから隣の男子の教科書に自分のノートに書いたゆるキャラの相方、もはやゆるキャラではなく引き立て役のキャラを描いてやった。
隣の男子とその後ろの女子とキャッキャッ和気あいあいと話してたらそりゃー、先生に当てられたのは言うまでもなく。
「余裕な玉木に当ててやった」とまた辛辣な事を言ってきたので
それとなく黒板に答えを書いて見事、掛け算を間違えて導き出した答えにことごとく罰を付けた先生は
「授業はちゃんと聞くよーに!特に窓側に座る後ろから2番目のやーつ」
「タマ子のことじゃん!!」
クラスでドッ笑いが起きてしまった。
え、なに? 先生と打ち合わせしてたんですか?
「先生ひどいッ!!」って言おうとしたら計ったかのように鐘が鳴り響いて、私の心中は穏やかじゃない。
こんな時はあれだ、
うん、昼休み中庭に行こうって決意した。