第2章 第2セット。
ギューッて抱き締める力が強くなる。
福ちゃんの顔が見えないけど耳が赤くなってるのは横目で見えるから照れてるなーって冷静な頭で判断する。
「福ちゃん。苦しーよー」
私は指先にご飯粒ついてるから、これをどうにかしたいデス。食べてもいいんだけどさ、いいんだけどさ。
頭の中で嬉しいのと、ご飯粒の抗争が始まる。
「福ちゃん、一回離れてくれる?」
「・・・・・・、」
少し離れてしょぼんとしたように眉が垂れてる。
「ごめんね。」と言いながらティッシュで指先を綺麗に拭く。よし、これでバッチリ。
「えっと、私と付き合ってくれますか?」
深呼吸をして改めて彼の目を見つめる。
私の顔もさっきからずっと赤い気がする。すると、福ちゃんは頷いてまた私に抱き付いてくる。
「れいな。好き」
ずっと側に居て。なんて耳元で囁くから、私も彼に答えるようにギューッと抱きしめ返した。